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電通の鬼十則と裏十則。「死ぬくらいなら辞めれば?」ができない理由。

広告大手代理店『電通』に勤めていた24歳の女性社員が、過労を苦にして自ら命を絶ちました。

電通では4代目社長によって1951年につくられた『鬼十則』という行動規範が、社員手帳に掲げられているのだそうです。

電通の『鬼十則』

  1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
  2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
  3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
  4.  難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
  5.  取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
  6.  周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
  7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
  8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
  9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
  10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

引用元: www.nozomu.net

5番目の項目には、『取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。』とも書かれています。

鬼十則のパロディ『裏十則』

電通には、鬼十則のパロディとして社員がつくった『裏十則』というものもあるそうです。

  1. 仕事は自ら創るな。みんなでつぶされる。
  2. 仕事は先手先手と働きかけていくな。疲れるだけだ。
  3. 大きな仕事と取り組むな。大きな仕事は己に責任ばかりふりかかる。
  4. 難しい仕事を狙うな。これを成し遂げようとしても誰も助けてくれない。
  5. 取り組んだらすぐ放せ。馬鹿にされても放せ、火傷をする前に…。
  6. 周囲を引きずり回すな。引きずっている間に、いつの間にか皆の鼻つまみ者になる。
  7. 計画を持つな。長期の計画を持つと、怒りと苛立ちと、そして空しい失望と倦怠が生まれる。
  8. 自信を持つな。自信を持つから君の仕事は煙たがられ嫌がられ、そしてついには誰からも相手にされなくなる。
  9. 頭は常に全回転。八方に気を配って、一分の真実も語ってはならぬ。ゴマスリとはそのようなものだ。
  10. 摩擦を恐れよ。摩擦はトラブルの母、減点の肥料だ。でないと君は築地のドンキホーテになる。

引用元: www.nozomu.net

これ以上尊い命が失われぬよう、鬼十則の代わりにこちらの『裏十則』が手帳に掲げられることを願うばかりです。

もちろん全てを否定するつもりはないですが、『鬼十則』がつくられた60年以上前とは、人も社会も状況が大きく変わってきています。

電通では1991年にも過労自殺が起きていますが、鬼十則にあるように『摩擦を怖れ』ず、『八方に気を配って』、『先手先手と働き掛けてい』ったら、悲劇は繰り返されなかったのではないでしょうか。

「死ぬくらいなら辞めれば?」ができない理由

最後に、先日Twitterで見つけたツイートを載せておきます。

「死ぬくらいなら辞めればいいのに」と不思議に思う方には、ぜひ見ていただきたいです。

私は20代でうつ病と診断され休職したのですが、休職してしばらくの間も会社に『洗脳』されたような状態でいました。

もし身近な人の様子がおかしいと感じた場合は、一声かけいただくとひとつの命が救われるかもしれません。

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