これまでこのフリーランスNoteの中で、落ち込んだときにヒントをくれそうなおすすめの本をいくつか紹介してきました。
これまで紹介していない本も含めて、心を病んだ時、うつ病の時におすすめの本を11冊紹介します
うつ病の時に読む本【2冊】
いやな気分よ、さようなら
抑うつを改善し、気分をコントロールするための認知療法について書かれている本。認知の歪みや、心が軽くなる考え方を学びたいときにおすすめです。
この『いやな気分よ、さようなら』を読んだうつ病の患者さんの70%が、他の治療を併用することなく4週間以内に改善し、3年後でもその良い状態を維持していたのだとか。
認知療法・認知行動療法はうつ病治療に効果的で、うつ病の患者さんに認知行動療法を行なったところ、1年後に7割の方が『無症状』になったという慶応大学の研究結果もあります。
「うつ」だと感じたら他人に甘えなさい
精神科医の和田秀樹さんが書いた本。自己嫌悪に陥ってしまっているときや、医学的にしっかりうつ病についての知識を得たいときに読んで欲しい一冊です。
うつ病のメカニズムやうつ病になりやすい人の思考パターン、ストレス耐性を上げる方法などを解説してくれています。
私は『心が強い人』というと、何事にも屈しないメンタルの持ち主をイメージしていたのですが、うまく他人に頼って上手にストレスを回避できる人が現代に適応した強い人だという考え方を学びました。
『メンタルが強い人』と聞くと、逆境に屈することなく、ストレスをはね飛ばして猪突猛進するタイプの人と思いがちです。
しかし精神科医の和田秀樹氏は、心が強い人の条件として下記2点を掲げています。
- 他人を頼ることができる
- うつ病やメンタルに関する知識を持っている
2013年にヒットしたテレビドラマ『半沢直樹』では、主人公が自分を陥れた上司に復讐を誓い、それを成し遂げました。
「やられたらやり返す、倍返しだ!」と宣言し、実際に成し遂げる姿でスカッとした方も多いのではないでしょうか
『メンタルが強い人』と聞くと、半沢直樹のような何事にも屈しないタイプの人が思い浮かびます。
しかしこれはあくまでフィクションの話であり、なによりも半沢直樹のように復讐を誓い、相手を憎み、いつもギリギリの精神状態でいることは、心の健康にはよくありません。
『折れない心』よりも『しなやかな心』を持つ人が、真の強い人なのです。
映画監督であり、俳優や作家としても有名なウッディ・アレンは、50年以上にわたり精神科に通い続けています。
ウッディ・アレンは1977年の『アニー・ホール』でアカデミー監督賞、作品賞を受賞し、ノミネートされた作品は20回以上、ノミネート回数が最多の映画人として有名です。
精神科に長年通いながらも、数々の偉業を成し遂げてきたのです。
ずっと病気を克服できない患者と捉えることもできるでしょうが、著者はこうした『他人に頼ることができる人』が、現代に適応した『心が強い人』であると説明しています。
未だこの時代においても「ウツなんて甘えだ」と石器時代の根性論のような意見も耳にするので、ついつい甘えることに対して罪悪感を感じてしまいます。
しかし、うまく他人に頼って上手にストレスを回避できる人が、現代に適応したメンタルが強い人なのです。
強い人といえば、何事にも屈しない鋼のメンタルの持ち主をイメージしていたので、この本の内容は目からウロコでした。
根性よりも柔軟さの方が、現代社会では必要なのでしょうね
心が病んだ時に読む本【8冊】
ここからはうつ病とは直接的な関連はないのですが、心が病んだ時に読んで欲しい本を紹介します。
嫌われる勇気
アドラー心理学について、ストーリー形式で学べる本。同じ事柄でも、考え方によって全く違って見えるということを教えてくれました。
また、「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよという言葉には大変助けられました。
過去や未来のことばかり考えていても、訳がわからなくなっちゃいますもんね。
ブレない人は、うまくいく。
『嫌われる勇気』にも共通する内容が多く、スッと心に入ってくる本でした。特に私がタメになったと思うのが、こちらの3点です。
- 相手に好かれるためだけの行動は、結果として好かれない
- 褒められても批判されても、8掛けで聞く
- 褒めてくれる人を探さない
1. 好かれるためだけの行動は、結果として好かれない
友人関係でも恋愛でも、相手に好かれるためだけに我慢しながらする行動は、結果として好かれないというお話。
例えば飲み会などで、無理して2次会やその後のカラオケまで付き合ったとしても、「あいつ、いつまでいんの?」といわれてしまうのがオチです。
ブレる人は好かれようとして行動し、ブレない人は自分軸で行動します。
2. 褒められても批判されても、8掛けで聞く
ブレる人は、一喜一憂します。
ほめられたことも、けなされたことも、拡大解釈するからです。
ブレない人は、割り引いて聞きます。
ほめられても8掛けで聞き、けなされても8掛けで聞けるのです。
自身を振り返ってみると、これまで褒められても批判されても、拡大解釈して一喜一憂しまくっているところがあったなぁと感じました。
褒められたら嬉しくて舞い上がり、批判されたらズーンと落ち込む。
でもよく考えてみると、割と他人って何も気にせずに褒めたり批判したりするものなんですよね。
私自身も特に深い意味もなく、人を称賛したり批判っぽいことを言ったりもしますし。
他人の言葉は、8割程度に割り引いて聞いておくくらいがちょうどいいのでしょうね。
褒められたり批判を受ける度に真に受けてたら、それだけで疲れちゃいそうですし。
3. 褒めてくれる人を探さない
スキー場でカッコいいのは、ナンパしている人ではなく、スキー部で練習している人やケガ人を運ぶパトロール隊だと著者はいいます。
著者の例えが秀逸でしたので、引用します。
モテない人は、女性の前でビュッととまって、「僕の滑り、どう?」と聞きます。
この瞬間に、カッコ悪いのです。
パトロール隊は、自分の滑りの評価など求めていません。
だからカッコいいのです。
ブレる人は自己肯定感が低いので、他者に褒められない限り自分のモチベーションが上がりません。
そして、自分がしていることが間違っていないかと常にビクビクしています。
ブレない人は自己肯定感が高いので、「間違っていても、好きだからやっている」のです。
以上、3つ紹介しました。
スッと心に入ってくるような本でしたのでおすすめですよ。
怒らない技術
イライラを感じてしまうメカニズムや感情をコントロールする方法を、松下幸之助さんなど著名人のエピソードなどもまじえながら分かりやすく説明してくれています。
イライラを抑えつけるのではなく、考え方を少し広くするだけで気持ちがスッと楽になりました。
アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉
先ほどご紹介した『嫌われる勇気』のもととなった、アルフレッド・アドラーの言葉を集めた本。
それぞれ見開きの2ページで完結しているので、なんだかスッキリしないときにペラペラめくってみるだけで何かしらヒントが得られたりします。
私が特に気に入っている言葉は、
遺伝や育った環境は単なる「材料」でしかない。
その材料を使って住みにくい家を建てるか、住みやすい家を建てるかは、あなた自身が決めればいい。
というもの。
「人は『変わる自由』を持っているんだ」ということに気づかせてくれました。
道は開ける
先ほど紹介した『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』の言葉と似ていて、こちらでも「今日、一日の区切りで生きよ」という章があります。
一番心に響いたのが、
明日のことは考えるな。
明日のことは明日自身が考えるだろう。
一日の苦労はその一日だけで十分だ。
という言葉。
過去のことは過去に、明日のことは明日に任せて今この瞬間だけに焦点を当てるように意識したら、だいぶ心が楽になりました。
この考え方については、こちらのYouTube動画もおすすめですよ。
また、こちらの本には『二週間でうつを治すには』っていう章があるんです。
「2週間で治ったら医者いらんだろ」って若干思わなくもないですが、この章のおかげで大切なヒントを得られたことに変わりないので紹介したいと思います。
この章を読んで驚いたのは、精神分析医アルフレッド・アドラーの本が引用されていたことです。
日本でアドラー心理学が注目され始めたのはここ数年ですが、海外では昔から有名だったのですね!
アドラー博士は、患者さんに対して次のように話していたそうです。
「この処方どおりにしたら、二週間できっと全快しますよ。 それは、どうしたら他人を喜ばすことができるか、毎日考えてみることです」
これを読んだとき「なんだそんなの簡単だろ」と思ったのですが、実行するのってなかなか大変なんですよね。
実際、アドラー博士が患者さんに伝えると「そんなことは簡単だ」といいつつも、実行できた人は少なかったみたい。
試しに身近な人を喜ばせることについて考えてみたところ、気づいたら一人でニヤニヤしている自分がいましたので、継続できたらかなり効果がありそうです。
アドラー博士は一日一善を力説していて、その理由について
他人を喜ばそうとすることによって、自分自身について、つまり悩み・恐怖・うつ病の根源となっているものについて考えなくなるからだ。
と説明しています。
自身を振り返ってみると、うつの症状が重いときは常に恐怖や怒りなどの負の感情が渦巻いていたなぁ…
いきなり『毎日』っていうのは難しい気がしますが、気づいたときにコツコツ習慣づけてみると気分が晴れてくるかもしれませんね。
ソース
この本では「私たちにとって最善の行為は、決断をぐずぐず先に延ばすことだ」など、新たな考え方を発見をすることができました。
簡単に要約すると、ぐずぐずしてしまうのは「まだ時機ではない」「まだ行動のときではない」という心のサインであるそうです。
人は動けないでいるとき、頭の中で無意識に情報を収集・整理しています。なかなか動き出せないのは、まだその情報が整理しきれていない証拠。
私自身振り返ってみると、「決断力は正義!」みたいに気乗りがしない状態で無理やり見切り発車したときは失敗が多かった気がします。
失敗からの学びもあったので結果オーライではありますが、グルグル悩むのではなく建設的にきちんと自分の気持ちを整理する時間は必要だったなぁと思います。
自分では「何も進んでいない」「時間を無駄にしている」と思ってしまいがちですが、実はそんなときでも無意識に自然と進んでいたりするもの。
なかなか決断がつかないときは、自分にとって必要な時間なんだと割り切って、ゆっくり自分と対話するときがあってもいいのかもしれません。
一生折れない自信のつくり方
うつのときって自己嫌悪に陥りがちですが、そういう状態で頭の中に浮かぶ自己イメージって本来の自分ではないと思うんです。
本当はもうちょっとイケてるはず。
こちらの本では自己イメージを高める方法なども紹介されていて、徐々に自信を取り戻していくことができました。
ちなみにこの本の著者である青木仁志さんのセミナーに行ったことがあるのですが、カリスマ感がハンパなかったです。
成りあがり
矢沢永吉さんが、28歳のときに書いた自伝。やたら暑苦しいタイトルなので根性論ばかりかと思いきや、とても理性的かつ知性的な内容で、愛読書がデール・カーネギーの『人を動かす』というのにも思わず頷いてしまいました。
矢沢永吉さんといえば『鋼のメンタル』を持っているようなイメージでしたが、許せないことや怖いこともたくさんあり、それをあえて背負って生きていく姿勢に非常に勇気をもらいました。
私自身これまで色んな本を読んだりして、過去の怒りや憎しみを消し去る方法を模索してきたのですが、怒りや憎しみがどうしても消えないならそのまま背負って進んでいくのもありかなとこちらの本を読んで感じました。
こちらの本、冒頭からこんな風に始まるんです。
オレは、昔のことを思い出すとマジになる。これは素晴らしいことだ。二十八歳。スーパースターと呼ばれ、所得番付に出るようになっても怒っている。怒ることに真剣になる。
矢沢永吉さんというと細かいことは気にしないイメージでしたが、読み進めていくと実はとても繊細な心の持ち主なんだなと感じました。
更に過去のことに関して、
いまでもね、酒飲んだ時、昔のこと考えると怒り出すよ。震えてくる。腹立って、こみあげてくる。
何歳になっても完全には人間的になりたくない。やっぱり、昔のことを忘れてない。あれを背負って生きてく人間でありたい。
オレは、すべてを上手にふっ切れる男になんかなりたくない。クールなんて言われたくない。
と語っています。
本って当然、著者によって主張や考え方が様々なのですが、こうやって自分に合った考え方を自分なりにパズルのように組み合わせていくのも面白いですよね。
頭や身体がスッキリしないときにおすすめの本【1冊】
「昨日の疲れ」が抜けなくなったら読む本
精神科医の西多昌規氏が書いた本。緊張した身体をほぐして、気持ちをゆったりリラックスさせる方法などを知ることができます。
睡眠の質を高める方法、気持ちのリセット方法なども具体的に紹介されているのでおすすめです。
心が病んだ時・うつ病の時に読む本 まとめ
上でご紹介した本を読んでいて気づいたことですが、アルフレッド・アドラーの考え方がデール・カーネギーの本で引用されていたり、デール・カーネギーの本を矢沢永吉さんが愛読していたりと興味深い関係性もみえてきました。
単に読むのではなく、自分なりにこうやって考察を広げていくのも面白いなぁと感じています。
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