うつ病や適応障害で療養中のとき、なぜか自然と昼夜逆転してしまっていました。
昼間はなんだかダルくてモーレツに眠いのに、夜になると妙に頭が冴えてきます。
これじゃイカン!と思って病院で睡眠薬を処方してもらっても、全然効かなくて頭がフラフラするだけだったり。何が原因なんでしょうか。
「実は、人間は本来夜行性の生き物だったのでは…?!」なんて思いながら、調べてみることにしました。
昼夜逆転してしまう理由とは?
精神科医の泉谷閑示氏は、うつ状態のときの昼夜逆転について次のように説明しています。
(引用元: diamond.jp)
日中は、世の中全体が活発に動いている時間であり、人々は皆、仕事や学校に出かけ、有意義な活動をしている時間です。
そんな時間に、「うつ」の療養で自宅にポツンといる自分。
ただでさえ「うつ」によって無力感を感じ自己否定的な気分があるところに、日中起きていて、状況的にも世の中に取り残されたような感じがしたり、自分が無価値な感じを抱いたりしやすいことは、想像に難くありません。
うーん、思わず頷いてしまいます。納得。
確かに日中は「今頃みんな働いてんだよな…」なんて考えて、余計憂うつになったりします。
実はこのブログのアクセス数も、休日より平日の方が多いんです。
うつ病関連の記事がメインのブログなので、平日だと特に検索などで訪れてくれる方が多いのだと思います。
逆に、夜や深夜の時間は、世の中のほとんどが活動を休止する時間ですから、クライアントにとってはあまり精神的に委縮することなく過ごしやすい時間でしょう。
昼夜逆転をしてしまうのは、無意識のうちにストレスを避けて『心の療養をしやすい状態』にしていたのですね。
「うつ」の状態にあるような時には、現代社会が求めてくる価値観から自分を眺めるよりも、「病気」や「症状」が何か大切な働きをしてくれているのではないか、と、しばし立ち止まって、視点を変えてみることも大切なことなのです。
「昼夜逆転にも大切な働きがあったんだ」と分かっただけでも、スッキリしますね。
一般的に規則正しい生活は大切なことでしょうが、それがなかなかできずに悩みの種になってしまうようなら本末転倒ですよね。
昼夜逆転を治すには?
…とはいえ、そんなこといわれても気になるもんは気になるし、できれば夜眠れるに越したことはないですよね。
ということで、脳神経外科専門医の築山節氏著『脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める』を参考に、寝つきを良くする方法を3つご紹介します。
1. 毎日寝る前に同じ行動をする
毎日寝る前に同じ行動をして、儀式化してしまうという方法。
これは「入眠儀式」と呼ばれる一種の自己催眠で、たとえば夕食後、片付け→勉強→入浴→明日の準備→読書→就寝……という一連の行動を毎日繰り返していると、その活動の後には必ず眠りたくなってきます。
ラグビーの五郎丸選手など、有名スポーツ選手もルーティーンを大切にしていますよね。
2. 布団に入ったら全身の力を抜く
布団に入ったら、足の指から順に、足→腰→背中→手の指→腕→肩→首と意識して力を抜いていきましょう。
確かに私も「うーんなかなか眠れないなぁ」なんてときは、無意識に力が入って眉間にシワが寄っていることがよくありました。
毎日プレッシャーの強い環境で仕事をしていると、寝るときも無意識のうちに力が入ってしまっていることが多いのだとか。
3. 刺激的な映像や音楽を避ける
逆に、寝る前にしない方がいいことについては以下の項目を挙げています。
- 刺激的な映像や音楽に触れる
- 激しい運動をする
- 激しい議論をする
- 指先などの末梢神経を刺激する
- 短時間で集中して仕事をする
激しい運動については何となくわかりますが、刺激的な映像や音楽も良くないのですね。
映像でいうと格闘技などの動画、音楽だとノリノリなロック系といったところでしょうか。
自身を振り返ってみると、昼夜逆転していたころはついつい布団の中でYouTubeを観ていたりしていました。
YouTubeって最初はおもしろ動画を観ていたつもりが、いつの間にか野球の乱闘シーンなど暴力的な動画に引き寄せられてしまうのは私だけでしょうか…?
不思議な魔力を持っていますよね、YouTube。
ブルーライトの影響もありそうですし、寝る前はスマホから離れた方がよさそうです。
さいごに
また、精神科医の西多昌規氏は著書『「昨日の疲れ」が抜けなくなったら読む本』の中でこう説明しています。
まどろみながらベッドにいるだけでも、休養効果があります。
浅い睡眠でも休養効果はあることがわかっています。
「ひと晩くらい寝不足でもなんとかなる」という、楽天的な考えを持つのも、大切な心構えです。
もしどうしても昼夜逆転を直せないのであれば、きっとそれは心と体がそのリズムを求めているサイン。
今はこのリズムが必要な時期なんだと考えて、深刻になり過ぎないようにするのも必要かもしれませんね。
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